150308
40人ほどの小さなホールで開催されたドゥオ・コンだが、お二人とも、並みの声量じゃないから、この倍ぐらいのホールでないと、勿体ない。最後列に陣取っても、耳がどうかなるほどのド迫力だった。
鈴木江美さんのコンサートは、過去なんども聴きに行っているが、ドゥオは初めて。また、郷家(ごうけ)暁子さんも今日はお初。まったく知らない歌手で、名前すら聞いたことがなかった。ところが、これが凄い力量で、驚かされた。鈴木江美さんとの相性もバツグンで、二重唱はどれもこれ以上ないほどに完璧なハーモニーを生んでいた。二人は芸大の同級生という仲良しだそうで、今回が初のジョイントというのも、何か不思議な気がするが、事情があるようだった。
プログラムの構成もまたよかった。伴奏の佐藤文雄氏の案だろうが、まことにバランスの良い配置である。
ただ、ご覧の通り、鈴木江美さんに限れば、イタリア語はモンテヴェルディ、モーツァルトの2曲のみ。彼女、一昨年ぐらいから、どうやら意識的にフランスものにシフトしているようで、或いは自身の歌唱特性に、考えるところがあったのだろうか。イタリアもの大好き人間の一人としては、少しばかり寂しい気もするが。
日曜日の昼下がり、「春の目覚め」にふさわしい二人のミューズに癒されて、「教育の森」を後にした。
#10