150310 「1930-1985 没後30年 ロベール・クートラス展 夜を包む色彩 カルト、グワッシュ、テラコッタ」
という長い副題がついている。カルトと言われても、ピンとこない人がほとんどだろう。別に宗教的なカルト(cult)でなく、フランス語でCarte、イタリア語やスペイン語ではCarta、そう、多少細長いカルタと思えばいい。
クートラスは途中から盛んにこのカルタと呼ぶカード画を毎晩一枚というペースで描き続け、17年間でで6000以上もの作品を残している。これらをMes Nuits(”僕の夜”)と本人は名付けていて、のちに一緒に生活することになる日本人女性なども整理に力を貸し、一定の種類毎に額に納めて展示している。
時折、こうして自分の名前、制作年、或いは住居のあったVAUGIRARDという通りの名前も登場する。
初期にはこのような、やや暗めの油彩画なども残している。
様々な意味の単語を並べたスケッチも残っている。
このようなテラコッタの小品も展示してあり、全部で150展だから、結構見応えのある展覧会だ。
結局たどり着いた先がカード画というあたり、実にユニークな画家がいたのだ。
渋谷の松濤美術館で開催中。今月15日まで。