160818
19世紀後半に、エミール・ガレ(ロレーヌ地方 1846-1904)、ルネ・ラリック(シャンパーニュ地方1860-1945)、ドーム兄弟(ロレーヌ地方 August 1853-1909, Antonin1864-1930)など、名だたるガラス工芸家が相次いでフランスに誕生している。いずれもフランス北東部出身というところが面白い。
ロレーヌの中心都市ナンシー生まれのガレはガラス工芸にとどまらず、家具調度品も手がけている。アールヌヴォーの影響が濃い。
展覧会の構成:
1. ガレと祖国
2. ガレと異国
3. ガレと植物学
4. ガレと生物学
5. ガレと文学
6. エピローグ ガレの究極
ガレの祖国とも言えるロレーヌ地方を象徴するロレーヌ十字をあしらった花器(サントリー美術館蔵)
見るからに東洋的な模玉ガラス花器(ダルビッシュ・ギャラリー・コレクション)
ガレらしいというのか、冴えた色彩の妙を見せる花器「アイリス」(サントリー美術館蔵)
昼顔型花器「蛾」(サントリー美術館蔵)一般的には疎まれる存在の蛾を取り入れる辺り、ガレの並外れて豊かな創造性を表す作品。
脚付杯「蜻蛉」(サントリー美術館蔵)
こうした展示物のほかに、形や色を細々と指定している、興味深いガレの手書きメモなども展示されていて、全部で160点を超える堂々たる展覧会。サントリー美術館が所有している作品が多いことにも驚かされる。
ところで、この日は大変蒸し暑い日ではあったが、館内温度を、まるで冬の外気温ほどまでに下げる必要があるのか。対応策として、観覧者に上に羽織るものを貸し出していたが、一定の配慮が必要と思う。
(画像はサントリー美術館のホームページから拝借)