160919 侮ったわけではないが、開場時間ギリギリに到着したら、何と長蛇で、中に入ったら、8割がた席が埋まっていた。どうやら地元ではかなり人気の高いシリーズらしい。
今年で6回目だそうだ。上のチラシにあるように主催は「がんの子供を守る会を応援する会」
もう10年も応援していて、愚亭にとって最も古くからのご贔屓の江口二美さんと、つい先日CLAPP'Sの公演で聞いたばかりの高野二郎さんは、今更なので、コメントは控えるとして、初めてお聴きしたアルトの城守 香(しろもり かおり)さんには驚愕しかない。ご自分でも3オクターブと、最初の挨拶で言われたが、確かに頷ける歌いっぷり。勢いのある高音も凄いのだが、また豊かな低音の響きには、呆れるほかなし。
長くハンブルク在住で、ドイツの国家認定終身プロフェッサーという、凄い称号を得ている。そんなわけで、これまであまり日本では活躍されていなかったようで、当方が知らないのも無理はない。すでにドイツを引き払って帰国されているから、これからは国内での出番は増えそうで、楽しみだ。
バリトンの杉野正隆さんも、多分初めて聴かせていただくような気がする。トップに登場して、「椿姫」からジェルモンの名アリア、「プロバンスの陸と海」を見事に歌われた。
細かいことだが、この歌の終盤の盛り上げどころ、♫ Ma se alfin ti trovo ancor・・・♫の冒頭、Maは長かったり短かったりはあるもの、そのままse alfinとすんなり繋がっていく歌い方が一般的だったはずなのに、杉野さんはマーで一度切ってから、改めてマーと歌い出していた。最近は、これが主流なんだろうか。日本では堀内康雄がこの歌い方だ。
YouTubeで聞く限り、往年の名歌手、Gobbi, Fischer=Dieskau, Zancanaro, Bruson, 最近でもHvorovstovskyやテノールから転向したDomingoなどはそのスタイルではない。どうでもいいことだけど、少々気になってYouTubeで聴き比べてみた。
今日は進行も務めた伴奏の金井 信さん、茶目っ気のあるトークとダジャレ(やや封印してたか)で、場内を盛り上げていたが、相変わらず卓抜の技には唸るしかない。後半のメドレーでは、曲と曲をつなぐちょっとしたテクニックにもセンスの冴えが見られた。
⬆︎後半、演目がくだけたところから、全員、前半よりぐっときらびやかな衣装に。とりわけ金井先生のジャケットには場内から笑いがもれたほどのインパクトあり。
江口二美さんの衣装は、前半は上品な赤(イタリアン・ローズ)のドレス、後半はご覧の通り、一見してそれとわかる着物の帯地を使った豪華なもの。色合いも他の出演者ともマッチしていて、一段と映えていた。
まさに「見返り美人」。ご本人、さすがにかなり照れている。そりゃそうだろう、だって、カメラの後ろはぞろぞろお客さんが通っているところだからねぇ。
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