170905 原題もWONDER WOMAN 米 141分 監督:パティー・ジェンキンス(「モンスター」2003)
ギリシャ神話の世界の話だが、冒頭シーンは現在のパリ。空撮で、徐々にルーブル博物館にズームしていき、ピラミッドの真上から内部へという導入部。
映画は、古代(というか神話)、1914年、そして現代と三つの異なる時代で活躍するダイアナという女性が主人公。
最強の女戦士軍団アマゾネスのプリンスであるダイアナが、第1次大戦下の激戦地、ベルギーのど真ん中にタイムスリップして、連合軍側で戦うという奇天烈な話だが、結構見せ場の多い作品に仕上がっている。
女戦士軍団の島に、空から複葉機がただならぬ爆音を響かせ、海に墜落。ダイアナはすかさずダイブしてパイロットを救う。初めて見る男に興味しんしんのダイアナ。間もなく、彼(実は米軍のスパイで、ドイツ軍の動きを探っていた)を追ってきた独軍の軍艦が現れ、女護が島の浜で壮絶な戦いとなる。
原作のアメコミは1941年製というから驚く。もちろんアメコミのことはまったく知らない。興味を持ったのは、監督があの「モンスター」で、主演のシャーリーズ・セロンにアカデミー主演女優賞を取らせた女流監督の作品という事実。彼女は、もともと2005年に本作を撮る予定だったらしいが、諸般の事情により遅れに遅れたとか。
この女戦士のアメコミをどうしても実写版で撮りたいという執念を持ち続けたというから凄い!「モンスター」もそうだが、女性を主人公に据えた物語ゆえ、自分で撮ることに固執したようだ。
女流監督でも、戦闘場面の迫力ある作り込み方は、「ハートロッカー」(2008)、「ゼロ・ダークサーティー」(2013)を撮ったキャサリン・ビグロー、「最愛の大地」(2013)、「アンブロークン 不屈の男」(2016)を撮ったアンジェリーナ・ジョリーに決して負けていない。
タイトルロールを演じた、イスラエル出身のガル・ガドット、特別美人というタイプではないが、均整の取れた肢体でアクロバティックな演技を見せる。雄々しく、激しく猛々しい演技は痛快でカッコいい。
本作に備えて、よほど身体的鍛錬を積んだようで、危険なシーンが多いからスタントを多用したのはもちろんだが、自身、ダイナミックな身のこなしで多くの見せ場を作っている。
他にクリス・パイン、ロビン・ライト、デビッド・シューリス、ユエン・ブレムナーなど案外豪華な布陣。
#58 画像はALLCINEMA on lineから