181110
珍しいオペラを見た。斬新なプロダクションは珍しくないが、この演出は主役女性二人をAI化させているところが、いかにも現代風で、そこがとりわけ興味を惹かれる。
まあしかし、この種の新解釈、新演出って、賛否、別れるのは必定。「なんだ、こりゃ」感が冒頭拭えなかったのは事実だが、次第に慣らされて行ったように感じた。
コスチューム、舞台美術、照明など、いずれもが大変クリエイティブなデザインで、感心させられた。
ソリスト陣、両組ともなかなか見事な布陣となっている。愚亭が見たのは上で青く囲った陣容。いずれ劣らぬ芸達者で、堪能しきった。ゆえに個別のコメントはこの際、やめておこう。
着ぐるみで出ずっぱりだったロボットたちの可愛らしい演技も見もの!(カーテン・コールで着ぐるみを脱いだ演者たちが、汗びっしょりの姿を見せる。ちょっと気の毒!)
合唱団にも、知っている顔が何人か。こちらも、素晴らしい演唱で文句なし。オケは名門読響だし、鍛錬されきったサウンドが耳に心地よく響いた。
過去十数回は見ているはずのコジ・ファン・トゥッテだが、今回ほどじっくりアリア、重唱に聞き惚れた公演は皆無とは言わないまでも少なかったと思う。それほど耳馴染みのないアリアやシェーナばかりで、自分の中ではモーツァルトのオペラでも低い位置を締めてきたのだが、今回じっくり観て、聴いて、四大オペラに入る筈と、妙に納得が行った次第。
#68