ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

奇跡の”驚”演!!「フィガロの結婚」@サントリー・ブルーローズ

190623

f:id:grappatei:20190624124017j:plain

f:id:grappatei:20190624124330p:plain

まあ、この顔ぶれ見たら、超豪華とかなんとか言ってる場合じゃない、このタイトル、奇跡の”驚”演!!は大げさでもなく、それ以外に言いようがないほどの配役!

若い井坂 惠以外はほぼ全員が音大教授というなんともはや贅沢極まる布陣に。今更あれこれ解説不要なれど、ほんの少々。(カーテンコールでは、何を思ったか、リーダー格の大倉が突然、今回のキャストの平均年齢は61と告白、場内を笑わせる一幕も)

やはり今回1番の驚きは、何と言ってもこの伯爵夫人の大倉由起枝だ。この気品溢れる色気はどうだろう!もちろん、歌唱がまた桁違いに素晴らしい。高音の、なんとも言えぬ滑らかさには場内思わずため息。

f:id:grappatei:20190624130002j:plain

どうですか、この艶やかさは!


次に昔から敬愛してやまない澤畑恵美フィガロでは普通伯爵夫人を演じることが多いのだが、大倉と組む時のみスザンナに回るとご本人がおっしゃっていた。

f:id:grappatei:20190624130104j:plain

この方もほんとに気品を感じないわけにはいかない美貌と雰囲気の持ち主

f:id:grappatei:20190624130219j:plain

気さくにサインの求めに応じる大御所の一人、福井敬。

フィガロではテノールの出番は限られていて、ドン・バジリオ、ドン・クルツィオを福井が演じたが、これだけでもなんと贅沢なキャスティングかと思う。普段はカーテンコールでセンターを取る福井、今日に限っては上手の端っこ。

タイトルロール、黒田 博、他の面々に比べればまだ大御所にはちょっと早いかもしれないが、しかしすでにベテランの域に入って久しい。声はまさに今が絶好調という感じで上から下まで縦横無尽、コミカルな演技も心得たもので、今日も散々笑わせてもらった。

他のキャストも、それぞれが持ち味を存分に発揮して、これ以上ないほど舞台を盛り上げていた。こんなフィガロはもう見られないだろう。

#36 文中敬称略