210809 7月末のオープニングコンサートに続いての2回目はもうフィナーレです。
いつもとは、ちょっと毛色の変わった内容になっています。知っているのは最初のアイーダのみ。
冒頭から話がそれてしまいますが、アイーダの凱旋行進曲と言えば忘れられない思い出が。「これがシネラマだ!」という巨大スクリーンに3台の映写機で映し出す、当時としては画期的な映画が上映されたのが、1955年でした。確か春だったようなので、中学に入学したばかりで、それを祝ってくれたのかどうか、もはや定かではありませんが、高校生だった姉が上映館だった帝劇へ連れて行ってくれたのです。冒頭のローラーコースターの場面ではあまりの臨場感に身体がこわばりのけぞりました。それほど衝撃的でした。
そのときに登場したのがミラノスカラ座でのアイーダのこの場面でした。オペラの擬似体験をしたのが、この時だったようです。今日の演奏はバレエのシーンまで含まれて、ちょうど15分でした。シネラマでは例のアイーダトランペットが壮大に吹き鳴らされる場面まででした。
久しぶりに生で立派な演奏を聞けて、思い出に耽りながらしっかり聞けました。やはり例の箇所にさしかかると、心拍数が上がりますね。今日は、普通のトランペットだけでしたが、一般的には転調したところで筒の長〜いアイーダトランペットが演奏します。
次が今日のコンサートの目玉とも言える世界初演の作品、その名も「かわさき組曲」です。これは以下のメッセージを見ていただいた方が早いと思いますので。
なんと素晴らしい取り組みでしょうか。この音楽祭の掉尾を飾るにふさわしい選曲と思いました。マエストロがこの日に合わせて構想を練ってたんでしょうか。まったく予想外のフィナーレでしたが、滅多にこういうチャンスはありませんから、行けたよかったと思いました。実はこの時間、8/29本番のオペラ・ガラコンサートの補講合唱練習が組まれたのですが、すでにチケット購入済みだったので、練習を犠牲にすることにしましたが、もうしわけないけど、これでセーカイでした。
次のアブソルート・ジェスト、初めて聞きました。この作曲者も知りませんでした。解説にあるようにベートーベンの作品をモチーフにしてあるので、なるほど、聞いたようなメロディーやリズムが随所に現れます。ティンパニーが叩くリズムはまさに第九そのもので、なんども登場します。
カルテット・アマービレもまったく知らないユニットでした。上の略歴によれば、実に大した人たちなのです。登場した時は、女声陣、みなさん、小柄で童顔ゆえ、ええ〜!って感じでしたが、弾き始めたら、もうそのテクニックには圧倒されました。
そして最後の吉松 隆さんの作品が超絶にすごかった!
この演奏がどれだけ大変だったか!とにかく楽器の編成もすごければ、演奏テクニックもはんぱないほど多岐にわたっていて、初めて目にする、耳にする演奏ぶりには驚嘆あるのみ。弦楽器もいろんなところを叩いたり、フルートも超低音で尺八かと思わせるように吹いてみたり、最もゆさぶられたはのはパーカッション。6人の奏者が、さまざまな打楽器を縦横無尽に叩きまくってゆく様には感動しましたね。
もちろん終演と同時に割れんばかりの大拍手。そして、2階席正面に座る作曲家をマエストロが指し示し、再び大拍手。こうして大興奮のうちに今年のサマーフェスタは終了したのでした。