ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」@Amazon Prime

211009 TUNTEMATON MESTARI 英語タイトル:ONE LAST DEAL 95分、フィンランド、監督:クラウス・ハロ

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頑迷固陋、妻には死に別れ、一人娘とも疎遠、その一人息子の孫も寄り付かない、そんな環境で人生の残りもわずか、でも画商としての意地を貫き遠そうと、乾坤一擲、最後の大勝負に挑もうとするオラヴィ。金策のあてもないのに、あああっ、落札札、上げてしまった!しょうがない、もうこうなった以上、自分の審美眼を信じるのみ!

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勝負に出たオラヴィ!

ヘルシンキで小さな画廊を営むオラヴィ、不仲の一人娘からちょっとの間でいいからと頼まれ、孫オットーを預かることに。高校生ぐらいかな。典型的な悪ガキで、初日から二人の間には険悪な空気が。

画廊経営は、折りからの不景気もあり、まったくパッとしません。どうも商才もあまりなさそうですから、それも無理からぬ状況のようです。そんなある日、オークションでの出品作に彼の目がとまります。どうもただならぬものを感じ取ったようです。でも、自信がありません。

気になってしょうがなかった作品、ある男の肖像画ですが、彼にはぴんとくるものがあったらしく、激しく競り合います。競売人もただの肖像画程度の見立てしかしていないから、初値600ユーロ!しかし、彼が競り落としたのはなんと1万ユーロ(現在のレートで122万円)。もし彼の見立て通りだとすれば、とんでもなく安い買い物になるはずでした・・・。

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悪ガキだった孫が素晴らしい成長を遂げていきます。彼のサポートがなければ、このおじいちゃん、どうなっていたでしょう。娘とはけっきょく折り合えなかったけど、孫がいて、ほんとに。

こっから先が悩ましいのです。手元資金がほとんどないのです。友人や銀行には断られ、競売所への支払い期日が迫ります。さあ、どうする・・・。画家のサインはないけど、これは絶対にイリヤ・レーピンの作品と信じてはいるのですが、ま、この後、さっそく買い手がみつかり、ヤレヤレとなるかと思いきや。

ちょっと感動したしめくくりでした。

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蛇足ながら、映画の中で、レーピンの作品だから、10万は下らないというセリフがありますが、孫がタブレットを使っていたので、多分現代の話でしょう。そうなら、10万ユーロは1,220万円ですから、それは逆に安過ぎだと思いますがね。ま、本筋には関係ない話ですが。

フィンランド映画って、ずいぶん久しぶりです。前回がいつだったか思い出せません。そもそも製作本数も少ないのですから、それも当然でしょうけど、いい作品を生む国の一つです。