ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

指揮者不在の第九を聞く@第一生命ホール

211127 指揮者なしで第九を演奏するなんて、マジで?という印象を持ちましたが、聴いてびっくりでした。こんなことができちゃうなら、指揮者の沽券にも関わるし、まかり間違えば失業しちゃうのでは?というのは素人考え。本番に至るまで、首席、つまり矢部達哉さんが指揮をやってたってことでしょう。ま、室内楽では普通のことですけど、大編成オケでしかも第九をやっちゃうところがすごいですよねぇ。

それを可能にしたのは、矢部さんもさることながら、演奏者が一人残らず第一線級ということでしょうね。だから、下のチラシ裏面にもオケメンバー全員の紹介が顔写真入りで掲載されているわけでして、普通の楽団ではこういうことはないですから。当日配布のプログラムには写真だけでなく、全員の略歴も載せていましたもの。

ソリストがまた超豪華な布陣、加えて合唱も天下の東混ですからねぇ。合唱団は歌い始める直前に全員東混特製マスク(銀行強盗風?)を装着しました。休憩なしの75分の演奏会で、S席@¥8,500は一見高そうに見えますが、終わってみれば、すばらしいコスパで、納得価格です。

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指揮者がいないので、当然首席の動きを感じながらの演奏になるのですが、阿吽の呼吸だけで一糸乱れずに進行していくのには、ほんと興奮しました。一番ドキドキしたのは、最終盤、Tochter aus Elysiumをmaestosoで歌った後ですかね。でも、そこも完璧に演奏しきって、演奏者全員、笑顔が弾けました。あちこちで団員同士、握手がわりの腕タッチをやっていました。

2018年からベートーベン・チクルスを指揮者なしで演奏していて、本来なら9回目で第九を演奏するのがコロナ禍でずれて今回の10回目での演奏となったようです。すでに、11、12回目の演奏会の日程も発表されています。ぜひまたこの興奮を味わいたいものです。