211126
もともとはロザリンデ役のはずだった森谷真理さん目当てでこの日のチケットを購入していました。ところが、彼女、二期会を退会してしまい、木下美穂子さんに。もちろん、木下さんも以前から聞いていますし、実力派のお一人であることは承知の上ですが、やはり落胆感は否めません。(ごめんなさい!)
上のチラシでもホモキのことを派手に前面に打ち出してはいますが、個人的には好きになれません。好みの問題だからこればかりは仕方ありません。全体にスラップスティックな流れは毎度のことですが、オルロフスキーなど酔っ払い状態に終始、それがこの役の印象を弱めているように思いました。
それより、美術デザインが素晴らしかったです。日本人では、なかなか発想しないような大胆でおおがかりな装置には圧倒されました。これだけでも、見にきた甲斐がありました。
家具が後ろ向きに斜めに倒れたり、出入りしていたドアが壁ごと、うしろに倒れ、大きなシャンデリアが下がってきて斜めになったり、ちょっと既視感(ハリウッド映画「インセプション」やミュージカル「オペラ座の怪人」の場面を彷彿)ありましたね。要するにこの世はうかうかしているとどうなるか分かんないよ、ということなんでしょうかね。
2階最前列真正面でしたので、いちおうオペラグラス持参でした。ビジュアルは問題ないのですが、白状しますと、最近かなり聴力がおちているので、フロッシュ役の森公美子さんがさんざん笑わすのですが、聞き漏らすセリフが多く、隣のおっさんがゲラゲラ笑うのが少々腹立たしいと思ったほど。
よく聞き取れなかったから言うわけではない(それもあるかぁ)ですが、あの場面、ちょっと長すぎます。最初はいいけど、やりすぎると逆効果を生むこと、よくありますから。ま、半分負け惜しみですが。出演者の話ですと、以前あの役をやったイッセー尾形はもっと長かったらしいですから。
このオペレッタ、本場でもこうした面白い芝居を相当盛り込むので、これはこれでこのオペレッタの楽しさでもあるのでしょう。レハールの「メリー・ウィドウ」の場合は、これほどふざける場面はないですからね。ただ、今回思ったのは、「こうもり」って、意外につまらないシーンが多い、ということ。ダレますね、はっきり。まあ、それを言っちゃうと、どんな作品でも最初から終わりまで楽しさ、面白さ満載というのは少ないのだから、ま、我慢の範囲。
アイゼンシュタインの小林啓倫さん、いいバリトンになっていますね。今後が楽しみです。アデーレ役のソプラノは、もっとぶっとんでいてもよかったように思いました。すこし上品過ぎという感じでした。加耒徹さん、童顔ですが、今日は髭をつけていて別人のような感じでなかなかいいファルケを演じていました。
ちょうど5時頃終演で、合唱練習会場へ向かう途中、宝塚劇場前がイリュミネーションできれいでした。最近は色合いに変化をつけるのがはやりなんでしょうか。なかなかでした。