220522
愚亭が所属する地元合唱団の団員の一人が出演するというので、品川の春雨寺へ。彼女の舞台はもうここ連続で見に行っていますが、今回のようにオペラをまるまる全幕上演というプログラムは珍しいです。今回は人気のある椿姫ということもあり、ほぼ満席でした。
上にあるように、日頃の研鑽結果をお披露目する場なので、全員がほぼ平等に登場できるよう、同じ役を何人もが分けて歌い継ぐ形式です。
当日配布プログラム冒頭に講師の古河範子さんが書かれていますが、「・・・発声の基礎を学びに来たはずがいつのまにかオペラをやらされることになってしまった生徒たち・・・戸惑いながらも一生懸命自分の限界に挑戦してくれています。ですからまだ一人で立っているのがやっとという状態です・・・・」とありますが、会場でそれがよく分かりました。
みなさん必死で今日この日を迎えられたかと思うと、もう上手いとか下手とかそういうことではないんですね。みなさん、それぞれの力量で食らいついているのがよく分かり、それだけでも感動的です。3幕に登場したウチの合唱団の団員女性も後で聞いたら照明のハプニングもあったようですが、よく最後まで歌いきり、Bravaでした。
この人たちを支えた助演のみなさんがまた素晴らしい演唱でした。とりわけジェルモンを歌った平尾弘之さんはどこの舞台でも通用するほどの力量で、BRAVISSIMOでした。正直、驚きました。こうして午後4時から6時半まで休憩10分X3回を含めて2時間半、たっぷりと楽しめました。
蛇足ながら、このリリカイタリアーナオペラという団体ですが、20年以上も前からその存在は知っていました。当時、愚亭が勤務する某ホテルチェーンでアルバイトをされていた女性(故人)がオペラ歌手であると知って、何度かこの団体の舞台を見に行っていました。
一度でいいから、自分もオペラの舞台に上がってみたいというオペラ愛好家って一定数はいますから、そうした場を提供するこのような団体の存在は貴重だと思います。世界的に見ても、オペラってもしかすると絶滅危惧種かも知れない時代だけに、余計にそう思ったりしています。