ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

今年最初のフェスタ・サマー・ミューザへ

220807

今日はヴァイオリン・ソロがあるので、前から2列目に陣取りました。ただ、後半が大音響で管が咆哮しまくる曲なんで、こっちは2階席で聞きたかったのですが、こういう場合はどっちに重点を置くかで、片方は諦めるしかありませんね。

左端前から2列目に自分も映り込んでいます。

まずは指揮者のダン・エッティンガー、やはりここミューザ川崎で何度か聞いたことがあります。銀髪をなびかせ颯爽と入場、なんですが、いくら館内冷房とは言え、厚地の、まるで冬のコートのような衣装には正直驚きました。そして、この人の指揮ぶりがなんともゴーカイで、足踏みの音が録音に残るほど両足で指揮台でドスンドスンと跳ねますからね。

服部百音さん、凝ったお名前ですね。生まれた時から音楽家になることを運命づけられたお名前でしょう。⬆️にあるようにお育ちがお育ちですから、無理もないでしょうか。最近、テレビ番組にも盛んに出演されていますが、生で既に数度は聞いている若手バリバリ、今、最も期待されるヴィオリニストのお一人でしょう。

上の2枚の画像はミューザ川崎が発行している「ほぼ日刊サマーミューザ」8/9号から転写させていただきました。

今日は夏らしくエメラルド色のコスチュームで、なんとなく人魚のようなお姿。まだ幼い表情のままで、音色は思いっきりダイナミックです。演奏終わってからの仕草が物慣れたというより、どことなくひょうきんで笑いを誘っていました。

ちなみにアンコールはニコロ・パガニーニ「常動曲」作品11-6でした。常動曲は無窮動とも言われ、終わりがなく、いつまでも繰り返しが続いていくわけです。かつてウィーンフィルの恒例ニューイヤーコンサートでは、指揮者により、Etcetra, etcetraと言ったり、and so onと言ったりして、締めたそうです。

後半は一転、シェラザードは、まさに静と動の世界、コンマスの弾く有名なしっとりとしたメロディーが要所要所をつないでいきますが、間は、管とパーカッションが大活躍します。これが緩急激しく入れ替わっていくのですが、見事にピタリとはまっていくので、エッティンガーもすごいんでしょうけど、東フィルのこれこそが力量でしょうか。静寂の中、タクトを下ろす際、両目から涙を拭っていました。コンマスの肩を抱いて「Bravo, bravo, bravo!」と言っていました。いい演奏会でした。