ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「Tregua 遥かなる帰郷」@Amazon Prime

230623 LA TREGUA(イタリア語で休戦のこと)2h5m 1997、伊、仏、英、スイス合作ですが、スタッフ&キャストの国籍はイタリアがメインで、オリジナルタイトルもイタリア語なので、イタリア作品に分類されると思うのですがねぇ・・・。ロケはウクライナでも行われたようです。脚本・監督:フランチェスコ・ロージ(最後の監督作品)

名匠、フランチェスコ・ロージ監督作品であるのと、テーマがアウシュビッツ解放後のイタリア人作家、プリモ・レーヴィが故郷のトリーノに帰還するまでを描いているので、見る気になったのですが・・・ロージ監督、もはや昔の作品ほどの切れ味がなくなっていたことに少し落胆します。

プリモ・レーヴィは実在したモデルで、彼の原作を基にして作られています。つまり実話に基づいた作品ということです。演じたのが名前からも分かる通りイタリア系アメリカ人、ジョン・タートゥーロ(トゥルトゥーロ)です。

残念かつ不満なのは、メインの言語が英語という不自然さ。フランス語なども登場するのに、しかも主人公やその仲間たちはイタリア人という設定、監督もイタリア人なのに、なんで英語にしてあるのか、さっぱり!

アウシュヴィッツソ連軍によって解放され、これで生きて国に帰れると喜んだ囚人たちですが、そうは物事は簡単に進みません。なんと、オデッサまで移動したり、あちこち迂回し、8ヶ月がかりで、主人公は故郷のトリーノへの帰還を果たします。それほどの戦火もなかった街ですから、家族も家も無事でした。

アウシュヴィッツ解放後、間もなくベルリンは陥落するので、それほどの戦闘シーンや爆撃シーンもないのですが、ソ連兵が大挙して行軍するシーンなども多く、撮影は大変だったようです。ま、うまく撮影していたと思いますが、なにせ起伏のない進行で、途中かなりだれるのが惜しいです。