ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「気楽な人生」@イタリア映画祭(配信)

230806 LA VITA FACILE (そのまま)1h42m 2011 監督:ルーチョ・ペッレグリーニ

友情や恋愛、陰謀や裏切りがないまぜになった物語に、ユーモアがまぶされた味わい深いドラマで、ファヴィーノとアッコルシのスター2人が共演している。ケニアの僻地で医療に従事するルカに、名うての医者で親友のマリオがローマから加勢しに来る。現地になかなかなじめないマリオだったが、2人は親交を温める。だが、マリオがローマに残してきた妻が突然ケニアにやって来たことから、3者それぞれの思惑が明らかになっていく。(イタリア映画祭のHPより)

このところ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノの出演作品を立て続けに見ています。別に好きな俳優というわけではなく、たまたまですが、上手い俳優です。イタリア人の中でも濃い面構えからして悪役が多いのですが、本作では悪巧みはしていても、まあ善人の部類でしょうか。相手役のステーファノ・アッコルシ、愚亭はあまり馴染みがないですが、人気俳優らしいです。

産婦人科診療所があるのは、ケニヤでもおそらく農村部らしいので、ローマとの行き来はナイロビ経由で、小型ジェット機で滑走路風の草地で離発着しています。

二人に途中からジョインするマリオの奥さんがルーカの元カノですから、話は込み入りますね。このジネーヴラというマリオ夫人、到着翌日から付近をジョギングするシーンが。それがいかにも堂に行っていて、このヴィットーリア・プッチーニという女優、普段から相当走り込んでいる体型をしています。そばかすだらけの顔ですが、なかなか魅力的です。

ラストはちょっと分かりにくい設定です。思惑が交錯し、結局、まんまとルーカの一人勝ちの様相ですが、もう少し丁寧な描き方でもよかったかと。

だいたい空港のゲートでの一芝居、ルーカはジネーヴラを出し抜いて別のゲートからリオへ飛び立つわけだけど、気分悪いからウィスキーを買いに行かせ、その束の間にこんな芸当、できるわけないんだけどなぁ。ちょっとリアリティに欠けましたね。惜しい!

ま、でもなかなか楽しめるおしゃれなコメディーです。タイトルはもう一工夫欲しいところですが。撮影はローマ市内ほか、プッリア州とバーリと出てたけど、ケニアの代替地とはいくらなんでもならないわけで、現地ロケは絶対しているはず。おそらくですが、予算の関係で、風景だけ現地で撮影して、他は上記イタリア国内にセットを組んだかもですかね。