ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ミサソレムニス(ベートーベン)by マウントあさま管弦楽団@ミューザ川崎

240203 昨年、マタイ受難曲でご一緒したコンバス奏者が出演されるとあって、川崎へ。

実に75分という長丁場、しかも合唱団もほぼ出ずっぱり状態で、大変だったことでしょう。

この有名なベートーベンの作品、これまでご縁がなく歌ったこと、ありません。一度、挑戦したいと思いつつ、多分時間切れとなりそうです。

75分は第九全曲より少し長い演奏時間で、合唱はほぼ歌いっぱなしですから、相当な体力が必要でしょう。

ちなみに第九は第4楽章24分のうち、合唱が歌うのはほぼその半分なので、それほどではないのです。ま、難しいことに変わりはありませんが。

今日は合唱の出来も素晴らしかったし、マエストロ横島のきびきびとわかりやすい指揮ぶりにも好感を持ちましたが、マウントあさまの演奏も見事でした。聞くところでは、今年、ウィーン楽友協会大ホールでの演奏も予定されているそうで、いっそうの活躍を期待しています。

さて、ソリスト陣がまた光りました。4人とも傑出していて、言うことはありません。ソプラノの斉藤真歩さんは初めて聴かせてもらいましたが、馬力が違います。メゾの山下裕賀さんは共演(?)もしていまして、お若いのに進境著しく、安定感抜群。テノール吉田 連さん、改めて思いましたが、この方はこうした宗教曲がもしかしたら一番お似合いかも。

又吉秀樹さんはテノール時代からよく聴かせてもらっていますが、バリトン転向後は今回初めてです。そんなわけで、とりわけ興味津々でしたが、予想以上にバリトンの声になっていてブラーヴォでした。と言う具合で、4人のバランスが素晴らしく心地よいアンサンブルでした。

終演後、一旦ばらけかけたのですが、マエストロがなにやら叫びながら団員たちを再び舞台に呼び戻し、クレードの部分をアンコールとして演奏してくりました。しかも、壇上から撮影OKの仕草まで。さっそくスマホ撮影をしましたが、事情を知らないスタッフがめざとく撮影禁止のジェスチャーで近づいてきたので、マエストロが許可していると告げて追い払った次第。この辺り、ホールスタッフはきちんと状況を把握して欲しいものです。

慌てて譜面台を調整するソリストたち。マエストロが楽団員になにやら指示を与えています。かなり珍しい光景です。