ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「主任警部アラン・バンクス」@AmazonPrime

240307 英国のテレビドラマシリーズです。5シーズン、各6話構成、全部で30話となります。1話が45分程度ですから、見やすい設定です。2話で一つの事件を扱います。

このところ、半年ほどずーっと英国の刑事ドラマを見続けていますが、本作は、何年か前に見たLINE OF DUTY以来の傑作と言えるでしょうか。

事件の面白さもさることながら、主任警部(DCIと言います。Detective Chief Inspecter)アラン・バンクスと、彼を支える2人の女性、↑の左側が途中から登場する警部補(DI - Detective Inspecter)のヘレン、そして右側は冒頭から登場するも途中、女優自身の妊娠もあり、産休を取ることになる巡査部長(DS - Detective Sergeant)、アニーの絡みが実に興味深い!

主役のアラン、正義感がことさら強く、鋭い勘もあり、いい位置にいますが、上役にすり寄るタイプではないので、年齢(50ぐらい?)の割には出世は遅れているかもです。

アニーは思ったことを同僚はもとより上役にもずばずばと言い放つタイプで、現場でも時折トラブルを引き起こしますが、アラン以上の、動物的勘の持ち主で、事件解決には並々ならぬ成果を上げますが、終盤、このことが命取りに。

シーズン2から加わるヘレンは、産休をとるアニーの代わりにこのチームに投入されますが、階級はアニーより上で、やがて警部補から主任警部への昇任試験を受けるほど、上昇志向も強い女性です。しかも、常に冷静沈着、それゆえチーム内で孤立することが少なくありません。そこは、自分でも自覚していますが、性格ゆえにどうしようもありません。

アランは、やがて産休明けでチームにジョインしてくるアニーと、警部補のヘレンをうまく使い分けますが、これがなかなか至難の技。しかも、こともあろうに、アランとアニーの間には派手ではないですが、恋愛感情もあるようなんです。アニーの娘の父親デイビッドとは正式に結婚していないことも関係ありそうです。

事件を軽快なテンポで描きつつ、警察内部の人間模様を並行して描いてみせる手法には好感を持ちました。終盤の悲劇が、やはり辛いです。それだけ感情移入できますから。

演じる俳優陣、テレビ俳優なので、誰1人知った顔はありません。唯一、ダウントンアビーにバクスター夫人役で登場する女優ラクエル・キャシディがシーズン4で検視官として出演しています。