ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

マーラー「復活」終演

240310 5度目の「復活」の舞台です。今回、マエストロはコバケンこと小林研一郎(84)でしたから、やはりこれまでとは”別物”って感じでした。自画自賛ですが、サイコーの出来栄えだったと思います。過去振っていただいたマエストロには失礼になりますが、マエストロによって、こうも違った演奏になることを痛感しました。

それにソロのお二人が日本を代表する、ほぼレジェンドと言っていいお二人ですから、もうそれだけでも今回乗れてよかったと思っています。こんな経験はもうめぐってはこないでしょう。

フィルハーモニック・アンサンブル・オーケストラですが、これでアマチュア?と言えるほどの実力で、見事にコバケンの厳しい要求に応えていたと思いました。オケ合わせ、3度ありましたが、その都度、変容していく姿を目の当たりにして、なるほどと合点が行きました。

ただ、現在84歳で、体調も思わしくないようで、練習中は相当辛そうで、見ている我々も辛かったです。でも、本番は、それはそれは別人のごとくいつもの鬼気迫る指揮ぶりでした。終演後、出演者は客席内で待機させられ、先生からの講評(?)をいただくことになっていたのに、とうとうそれも叶わず、オケの代表からその旨、説明とお詫びがありました。かなり心配です。

ゲネプロ開始前 このパイプオルガン、終演部で大音響を鳴らしました!

今日はこの位置。P席最前列、左右に3人分ありますが、その角の部分。

ここで立ち上がると、真下にオケが見え、マエストロもよく見えますし、観客席も前から8列目までは顔が分かるほど。でも、ちょっと怖い。

目の前はコントラ・バスが。練習時には気づかなかったのですが、お一人、見た顔が・・・。MAXフィルの指揮者、マエストロ古澤が、今日はコンバス奏者で登場!何年か前にまさしく「復活」@サンパール荒川でお世話になった方です。指揮だけでなく、コンバスでも活動されてらっしゃるとは!

右に目を転ずれば、パーカッションがずらり。ティンパニ2組ですし、また鉦も見えます。この鉦、ベルリオーズの「幻想」で登場するものと違い、音階のない鉦でマーラーが敢えてそう指定しているらしいです。終演部でキンコンカンコンとやかましく打ち鳴らされます。なんかもう出鱈目に叩いているようです。

合唱団も終演部は一人一人が持てるパワー全開で歌いましたが、聴衆にはどう響いたでしょうか。オケも咆哮しているところだから、もっともっと、と練習時からマエストロに相当厳しくしぼられたものです。

その一方、歌い始めのppp、練習時では全員ハミングで歌わせられていましたが、最終的に、1列目だけハミング、その他は子音だけ立てて歌えということに。これが効果的だったようです。

それと、合唱団の立ち上がる箇所が二転三転したので、最前列という目立つ立ち位置だけに相当緊張しました。マエストロによっては、何度も考えが変わることは珍しくなく、舞台裏で演奏するバンダと呼ばれるオケの別働隊(金管と打楽器)も練習の度に指示が微妙に変化して大変だったと思います。マエストロの姿を直接見られないところでの演奏でしたから相当神経、使ったはずです。

プログラムにはこんなページが。終演後、客席から一斉にこれが掲げられて、嬉しい限り。

裏表紙にはちょっとしたイタズラが。プログラム作成者、遊び心があります。