150501
またまた蝶々夫人を見に。今回も演奏会形式である。舞台装置がないだけで、抜粋とは言え、ほぼ主要箇所を網羅して、コスチュームと振りを入れて演じてくれるから、それなりに価値があると思う。
さらに、オケではないけど、今回のようにエレクトーンSTAGEAがオケ並みのド迫力音響を奏でてくれるから、結構堪能できる。1階席で6000円だから、コスパで考えれば十分。それにしても、一人オケを演奏しきった清水のりこさんはホントにブラーヴァだ。
演出とナビを担当した弥勒忠史氏が、狂言役者の衣装で登場し、ストーリーを手短に概説する趣向も洒落ていた。
蝶々さんの小川里美さん、リサイタル形式では何度か聴いているが、今回は感動ものだった。衣装とかつらを乗せた姿は間違いなく一級品。声もよく出ていたし、その昔、シャネルで聴いた人とは別人の如く進化している。
スズーキの鳥木弥生さん、前回、紀尾井ホールでも同役で聴いていて、その時も書いたことだが、哀れな蝶々さんを必死に支える気持ちが全身に滲み出て、そのたたずまいを見ているだけで、泣けてくるほど。
前回は、少し大柄な自分を持て余し気味だったように見えたが、今回は主役4人とも大柄だから、その心配もなくのびのび演じられたのではないだろうか。ただ、蝶々さんの気持ちを気遣いながらも、それ以上に子役で登場したご愛息、鳥木雅生クンの演技が、気になって仕方なかったのではないだろうか。
ピンカートンのダチョンこと高田正人さん、2010年、「これがオペラだ!」シリーズ(目黒パーシモンホール)同じく演奏会形式の同役で聞かせてもらったことがあるが、その時に比べ、やはり断然うまくなっていて驚いた。育ちは良いが、どこか性格に弱さを感じるピンカートンをうまく演じていた。
シャープレスの与那城 敬さんも、何度も聞かせてもらっているし、定評のある中堅バリトン。端正な顔立ちで上背もあり、特に女性陣には今や人気絶頂のバリトンと言ってもいいのだろう。お顔が多少童顔であるがゆえに、シャープレスを演じるにはもう少し貫禄をつけた方がいいようにも思えた。
天が二物以上与えてしまった小川里美さん。やはりスマホじゃ、この程度にしか写せない。ああ、残念。
⬇︎会場で偶然会った姉が撮影してくれた写真。与那城敬さんと。ヤマハホール7階フォワイエで。
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