ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

歌劇「ロメオとジュリエット」@文京シビック大ホール

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タイトルロールを演じる一人、藤永和望(かずみ)さんが、たまたま愚亭がこの1月から所属している合唱団の指導員の一人ということで、急遽先生からチケットを買い求めて、2日連続の本格オペラ観劇という贅沢さを味わうことに。

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藤永和望さんは、芸大卒で二期会所属のバリバリのソプラノなのに、なぜかこれまでまったく知らなかったのだが、この公演でその才能の片鱗に接し、驚愕の一文字。実にうまい!安定した発声は一瞬たりともぶれることがなく、高音域もまったく無理なく綺麗な発声で、こんな人に習える幸運を改めて痛感。

第1幕でのアリエッタ、Je veux vivre dans le rêveは、この作品の一番の聴かせどころ。ドキドキしながら聴いたが、絶品だった。ちなみに、世界のプリマの代表格、アンナ・ネトレプコはこんな風に。

一方、ロメオの又吉秀樹さん、こちらは、これまでもう何度も聴いているが、聞くたびに上手くなっていて、まだまだ伸び代がありそうな逸材だろう。輝くばかりの高音には、今回も圧倒された。第2幕のカヴァティーナ、L'amour, Ah leve-toi soleil!が聴かせどころだろう。マルセロ・アルヴァレスが歌うYouTube:

演出も悪くなかった。二人が折り重なるように絶命するラストシーンが冒頭のシーンに重なるなど、なかなか凝ったもので、他にも決闘シーンも狭い舞台を効果的に使って迫力を出すことに成功していたと思う。それからセットだが、これまたヨーロッパの香りを感じさせる格調高い構成だった。

それにしても長いオペラだ。昨日の「イル・トロヴァトーレ」同様、午後2時にスタート、途中一度だけ25分の休憩があるのも同じ。それでいて、終演時間は20分も遅い5時だった。市民オペラでもこれほど質の良いオペラが驚きである。

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ジュリエット役は藤永和望さん。

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主役のお二人はロビーで出待ちしてもなかなか現れず、半ば諦めていたら、やっとジュリエットが。ファンにもみくちゃにされている頃、ロメオの又吉秀樹さんは、すでに私服に着替えて廊下の隅に目立たぬ姿で、数人のファンと談笑中。得意のポーズを決めてもらった。

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