180330 THE RED SPARROW 米 140分 監督:フランシス・ローレンス
怪我で夢破れたボリショイバレーのプリンシパル、ドミニカ・エゴロワ(ジェニファー・ローレンス)が、病気の母親との暮らしを続けるために選んだ道は、ワーニャ叔父(マティアス・スーナルツ)が勧めるスパイしかなく、色仕掛けコースも含まれるスパイ養成学校を経て、二重スパイを探り出すという超ハードな任務を与えれるという話。
舞台はロシアのどっか、ブダペスト、ロンドンと移動していく。撮影は、ほとんどがハンガリー、一部スロバキアで行なった様子。
冷戦時代という設定だが、撮影はすべて現代というチグハグな扱い。ロンドン空港など、最近のターミナルが映されていながら、アナウンスでは、とっくになくなっているBEAのフライトが流れたり、いささか滑稽なアナログ感が拭えない。
それより、今時フロッピーディスクを使ってるシーンにびっくり。それだったら、もう10年以上も前の設定になってしまうし。もう少しこうした細部も精度を高めないと、リアリティーが薄まるだけ。
よくあるスパイの話で、とりわけ驚くような展開はないが、179cmと長身のローレンスのダンスシーン(肝心なところは代役が演じるが、一部は特訓で本人が踊ってもいる。代役のスタイルが一目でローレンスとは異なるのが惜しい)や、シャーリーズ・セロンばりのアクション・シーン、過激な官能シーンなど、見せ場多し。
拷問シーンは、あまりに生々しく、正視に耐えない。従って、本作は女性向きではない。人間の皮を剥ぐシーンなど、あそこまで見せる必要があるのか。
イギリスの名優、シャーロット・ランプリングがスパイ養成所の冷酷な教官役で登場、この方、いつも品のいい役が多いのだが、こういうのをやらせると、限りなく恐ろしい表情になるのは新たな発見。
まあまあ期待通りの出来栄え。ジェニファー・ローレンスの独り舞台。この女優がお好きでない人にはあまり勧められない。彼女のロシア訛りの英語も、なかなかよかった。
#25 画像はIMDbから。