190809
今日もほぼいつもの定位置で楽しめた。1階左ブロック7列目右端だと、ソリスト演奏も割に近くで楽しめるのと、オケの聴きやすい位置でもあり、さらに、中段、後段の木管、金管、パーカッションまで、奏者の表情も読み取れるので、自分にはベストポジション。
チェロの古川展生、好みのチェリストで以前からたびたび聞かせてもらっていて、繊細ににして豪胆な弾きっぷりを愛でてきているが、今日は多少、様子が違って見えた。
それは、この曲想も多少影響があるのかも知れない。このエルガーのチェロ協奏曲は、解説によれば、第1時大戦終結後、愛妻の健康悪化などが重なり、相当落ち込むエルガーがロンドンを離れ、小村の山荘で静かな生活を送る中で徐々に精神状態を回復、作曲意欲も湧き、完成されたとのこと。
全体に静けさの中に一筋の光が見えるような、なんとなく暗い印象が先に立つ曲で、いまいち自分にはぴんと来るものが少なかった。
ついでに言えば、2日前に聞いたジョヴァンニ・ソッリマの演奏ぶりがあまりに強烈で、そのインパクトが目に焼きつき、耳にこびりついているのも一因かも。
後半の「新世界より」、学生らしく、いきいききびきび、素晴らしかった。ホルンにしてもまったくぶれず、ハーモニーも美しく学生としては最高水準だろう。2楽章の例のメロディーを吹いた女子、落ち着き払って、たっぷり聴かせた。カーテンコールでは、斎藤マエストロから2度も立たされていた。
2楽章ラストの弦楽第1プルトだけの演奏から最後は消え入るようなコンミスと首席チェリストとの二重奏には深い感銘を覚えた。
今日はなぜか2階席の斜め後ろから真後ろまでと3階席は開けてなかった。ということでメインの席はほぼ満員だった。
#48 文中敬称略