200813 映画館に行けない(行けるけど、行かない)から、もっぱらNetflix、またはAmazon Primeで海外ドラマをひたすら見まくっているが、時折秀逸な作品に出くわす。「サバイバー:宿命の大統領」もその一つ。53話もあるから、だいたい45時間を要する長編だが、見どころ満載で、ほぼ飽きることなく見終わった。
毎回、監督が替わるので、時につまらない話も混じるが、我慢。全体にはよくできているし、導入部の冴えは見事だった。主演のキーファー・サザーランドは、もちろん全編に登場、演技も悪くなかった。
ワシントンDCの議事堂が爆破され、議場内の議員がほぼ犠牲になるという幕開けのスリリングな描き方は、かなり引き込まれる。現役正副大統領始め全閣僚も死んでしまい、こういう事態を想定してDesignated survivor(指定生存者)をあらかじめ指名(複数の場合も)しておき、すかさず大統領に任命されるというシステムは知らなかった。
実は、裏に途方もない陰謀が、というのはまあ定番コースだが、53話もあるということは、魅力ある出演者が多数入り乱れて、毎回サイドストーリーを展開していかないともたない。現代のアメリカが抱える諸問題、話題を細大漏らさず取り込んでいて、例えばイラクと思しき国家への軍事介入などの国際紛争、BLMほか人種問題、LGBTQ、FBI, CIA、パンデミック、などこれでもかというほどてんこ盛りで飽きさせない。
ほかのキャストでキーファーに次いで出番があったのはアジア系のマギー・Qというスリムな女優。FBI捜査官から、後半は過剰捜査でクビになると、すかさずCIAから声がかかって、大活躍の末に、VXガスの犠牲になるというやくどころ。
⬆︎大統領を身近で支える首席補佐官、報道官などの側近たち。見事なチームワークで、2期目を目指し見事勝利するが、側近たちの一部とは溝ができ、やや後味の悪い終わり方で、さらに続編(シーズン4)がありそうだ。
以前見た、やはり合衆国大統領を描いた、ケビン・スペイシー、ロビン・ライト主演、全73話の「野望の階段」(HOUSE OF CARDS)に勝るとも劣らない出来栄え。