ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「明日を担う音楽家による特別演奏会」@オペラシティー・コンサートホール

220303 このシリーズは確か毎回、来ていると思いますが、前回がいつだったか・・・。何年かに一度開催しているはずです。いつも2月ないし3月で、会場は常にここだったかと。

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⬆︎の説明では、昭和42年からスタートした新進芸術家海外研修制度を利用した人が既に3,600人!オペラ歌手がそのうち何人かは知りませんが、かなりの人数なんでしょう。

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お一人、体調不良で急に出演が叶わなかった藤田彩さん、すごい低音が聴けるはずだった「カプレーティとモンテッキ」のロメオを逃すことになったのが本当に残念です。速く体調回復されますよう。

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留学先は自分で選択できるようになっているらしいですが、これまでの例では、ウィーンやミラノが圧倒的に多かったと思うのですが、今回は実に多彩ですね。鈴木玲奈さんのアーヘンとか宮地江奈さんのブダペストというのは、かなり異例かと思われますが、ご本人にはそれなりの理由がおありだったようです。ポイントはどこに、というより、誰に、ということだろうと思われます。

明日を担う方々ばかりですから、さすがに皆さんお上手なのですが、際立ったのは、まずはトップバッターの金澤桃子さん。ご自分のコメントにはドランマティコからレッジェーロに転向と書かれていますが、自分にはとてもレッジェーロという感じではなかったです。このチェネレントラからの有名な難曲、Nacqui all'affanno, al piantoをものともせず、もちろんアジリタなどは軽々とこなされて軽快そのものでしたが、それ以外では、重低音の響きが凄かったです。

それ以上に印象に強かったのが鈴木玲奈さん!あまり歌われることのない超難曲、A vos jeux, mes amis、実に13分を超えるアリアです。しかも、Eが出てくるのですから、長い、高いとソプラノを一番苦しめるこんな曲をよく書いたものです、Ambroise Thomasめ!

純白のドレスがよく似合ったブダペスト帰りの宮地江奈さんのÈ stranoからSempre Liberaまでの椿姫からの最も有名なパッセージを見事に演じ切りました。もちろん、最後の締めくくりはEsでしたが、その前に、鈴木玲奈さんのEがまだ耳に残っていましたから、まあ普通に聞いてしまいました。

一人降板されて計8人が1曲ずつでしたが、休憩時間を入れて終演が9時近かったです。2度のカーテンコールが終わるや否や飛び出したのですが、なんとヒップポケットに入れていたはずの財布兼手帳がない!出てくる聴衆をかき分け戻ると、スタッフがすでに回収していてくれて、ことなきを得ました。多分、かなりリラックスして聞いていたんでしょうね、つい浅めに座ってしまって。猛省中!

10年前に聞いた「明日を担う」はこちら(なんと、同じデザインのチラシです)➡︎「バリトンのいないコンサート」