230506 Maltese - Il romanzo del commissario (マルテーゼ - 警部の物語)2017-18 1シーズン 8話からなるイタリア製TV ミニシリーズ 1話は正味48分 監督:ジャンルーカ・マリア・タヴァレッリ他
久々にイタリア製海外ドラマを面白く見ました。イタリアの警察、というか一警部vs.マフィアという図式による物語展開です。図式そのものは古いかも知れませんが、そこをマンネリに陥らずにうまく処理している点に感心しました。
この物語の中心人物、マルテーゼ警部に関わる人物たち、もしかしたら、本人にも危害が及ぶかもと、エンディングまでハラハラさせられました。なにしろ、めっぽう正義感が強い人物として描かれていますから。
父親も警部で、自死したとされているのですが、どうしても納得できない、なにか絶対にそこにはウラがあるという強固な意思を貫き通します。
彼は幼馴染みの大親友の婚礼に出るために、現在住んでいるローマから彼自身の故郷でもあるシチリアのトラパニへ向かいます。列車の中で、美人ジャーナリストからタバコをねだられます。のちのち、ただならぬ関係になろうとは二人ともゆめゆめ思っていません。尤も女の方は一目惚れのようです。
ジャンニという親友、婚礼前に車で移動中、バイクの二人組に惨殺されます。マルテーゼは異変を察知して犯人たちに狙撃を繰り返すも逃げられます。ここからマルテーゼは事件にのめり込み、自ら志願してローマ署からトラパニ署へ異動となります。
最終的に、とりあえず事件の解決を見ますが、裏切り者は実はごく身近にいたことが判明します。これで一件落着ですが、マフィアはとんでもない組織であり、まだまだ事件は起きるはずです。なにせ政界、財界、警察などのトップと結託していますからね。シーズン2が待たれます。
マフィアの拠点はシチリアですが、この巨大犯罪組織は地方都市にも根を張っていて、代表的なのがナポリ郊外に拠点を持つカモッラとカラッブリアを拠点とするンドラゲータでしょうか。こういう犯罪組織が今も暗躍しているところがイタリアのイタリアたる所以ですか。ラテン系でもスペインやフランスにはこんな組織はありませんからね。
マルテーゼ役のキム・ロッシ・スチュアートがかっこいいです。変な名前ですがれっきとしたイタリア人。北部出身でしょう。碧眼、長身ですから。彼を一目惚れした恋人役を演じたドイツ人女優、リケ・シュミットもほぼ完璧な美人です。二人とも本作で初めて見た俳優ですが、強く印象に残りました。