240702 L'ultima notte di Amore 2023 イタリア 2h4m 脚本・監督:アンドレーア・ディ・ステーファノ
いやあ、たっぷり楽しめました。相当うまくできたクライム・サスペンス!大した監督です。相当こだわる人のようです。冒頭の長尺のミラノ市内空撮もドローンではなくわざわざヘリコプターを使ったそうですし、他にも高速道路での走行での危険なシーンもCGは一切使わなかったというから、その分、出演者の負担は増したはずです。
冒頭、見覚えがあると思った眼下の風景はミラノのドゥーモで、そこから北上して最後は、どうやら中央駅近くのとあるアパートの部屋、内部が見えるところまでを収めたようです。見事な開幕です。
35年ミラノの警察に勤め上げた男、明日は退職日、それに備えてスピーチ原稿の手直しをしています。そんな彼が最終日に、まさかの大事件、修羅場に巻き込まれようとは・・・。
物語はその10時間前に遡ります。魔が差したとしか思えない事に関与することに。前夜、たまたま通りすがりに彼が心臓発作から救った男が中国マフィアのボスだったのはまったくの偶然とは言え、その後がいけませんでした。
この主人公、なんと名前がアモーレですよ。一般名詞では愛のことですよね。固有名詞で、彼の姓!女の子の下の名前なら、まあまああり得ますがねぇ・・・。フランコ・アモーレって言うんです。ごっつい身体に、いかついご面相というのに!これをピエルフランチェスコ・ファヴィーノが演じるわけです。
ディ・ステーファノ監督はファヴィーノをイメージしてこの作品を考えたと言いますから、それほどドンピシャのキャスティングだったわけですね。この狙いは大成功でした。
まあ、凄惨な高速道路上での事故というか事件に発展しますが、アモーレの才能と豊かな経験から際どいところで、なんとか退職日を無事に迎え、早朝、ドゥオーモ広場の一隅で車を止め、仲間に無線で呼びかけ挨拶します。やったあ!と誰もが思うと・・・。いやまあ、なんとも。