221222 1 CHANCE SUR 2 (二人にチャンスは一回)1998 仏 1h44m 脚本(共)・監督:パトリス・ルコント
完全なるB級作品。よくこんな映画を名手パトリス・ルコントが作ったものと呆れます。でも、2大スターの共演ですから、もちろんそれだけで見る価値があろうというものです。1998年製作なので、この時二ツ年上のジャン=ポール・ベルモンドは65歳、対するアラン・ドロン、63歳です。二人の共演は話題作「ボルサリーノ」以来、28年ぶりということになります。まだまだかっこういい二人ですが、アラン・ドロンはこの年齢でもさっそうとして、実に若々しくサマになっています。
愚亭は彼の日本でのデビュー作「お嬢さん、お手やわらかに」(1958)以来、日本公開作品はほぼ全部見ていると思います。中でも、愚亭の中では、ベスト1は常に「太陽がいっぱい」('60)なので、ベルモンド亡き後、少しでも長生きして欲しい永遠のスターです。早死にしてしまったジェームズ・ディーンと対照的です。
当時26歳のヴァネッサ・パラディ、大した女優ではないのに、こんな大スター二人と共演できたとは、なんという光栄でしょうか。演技も冴えないし、前歯に隙間が気になって仕方ありませんでした。
JP・ベルモンドは、やはりなんと言ってもジーン・セバーグとの「勝手にしやがれ」が一番印象に残っています。そりゃ、ジャン=リュック・ゴダール監督の最高傑作ですからね。
背中を撃たれながら、シャンゼリゼに向かって路地をよろめき、ついに倒れ込むラストシーン、目に焼き付いています。c’est vraiment dégueulasse.が最後の言葉ですが、「最低だ!」と。何が最低なのかというのが、ある種謎解きのように語られています。警官に「なんだって?」と聞いた彼女に、警官は「あんたはサイテー!」って言ったよ、となってますが、なぜ警官が事実を歪曲したか、これまた謎のままです。
失礼、話がだいぶそれました。