ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「レディー・プレイヤー1」

180430 READY PLAYER ONE 米 140分 製作・監督:スティーブン・スピルバーグ

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自分のような高齢者が見るべき作品ではないと知りつつ、予告編での体感による誘惑に負けて見てしまったが・・・?見終わってみれば、映像の凄さに驚嘆するのみで、やはりインプットされている経験・情報にあまりに乏しく、豊富なインプットのある人たちの半分も楽しんでいないはず。ま、それは仕方ないし、覚悟の上で、それなりの楽しみは味わえたからよしとしよう。(無理に納得しているが)

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2045年の荒廃した地球が舞台。VRゲームに熱中する若者を虜にするゲームワールド ”オアシス”創設者、ハリデー(マーク・ライランス、58歳の英国人舞台俳優を起用するとは、やや意表をつくキャスティングだが、スピルバーグは「ブリッジ・オブ・スパイ」で彼に重要な役で使っている)が亡くなり、ファンに謎かけと、それを解いたものに対する莫大な賞品を発表する。沸き立つ世界中のファンの中に、リアルライフに居所を見出せない若者、ウェイド(タイ・シェリダン)も含まれていた。

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⬆︎2045年の集合住宅。これがリアリティたっぷりで、非常によくできている。

そしていよいよ現実世界とVRの中の驚くべき映像が画面いっぱいに広がる。日本びいきのスピルバーグらしく、さまざまな形で日本文化、日本映画に対するオマージュが登場し、彼のサービス精神には頭が下がる。

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黒澤明へのオマージュと思われる三船敏郎に似せたキャラクター。他にメカゴジラが登場、ゴジラ第1作の例のテーマ曲(伊福部 昭)まで流れるから、たまらない。

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このスタイリッシュなチラシは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に対するオマージュ。デローリアンDMC12も登場する。

こうして彼が影響を受けたり、崇拝する映画人に対する尊敬の念がいろんな形でアイコンとして画面に組み込まれているから、それをしっかり受け止める必要があるのだが。

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今回は悪役ソレントとして登場したベン・メンデルソン、最近見た「チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」では、国王ジョージ6世を演じたオーストラリア出身の俳優。あれ、どこかで見た、と思いつつ、思い出せず、後で調べた気づいた。

ちなみにスピルバーグは本作と並行して製作中であった「ペンタゴン・ペーパーズ」のクランクアップを優先したと言う。理由は、まあ多分トランプ政権に対して、今こそニクソン政権の無様な末路を見せておきたかったのか。

CG大作はこれまで多数公開されているが、本作はある意味エポックメーキング的なCG超大作であることに異論はない。

#32 画像はIMDbから。