ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ミセス・ハリス、パリへ行く」@AmazonPrime

231120 Mrs. Harris Goes to Paris 英  2022  1h55m 制作(共)・脚本(共)監督・:アンソニー・ファビアン

ポール・ギャリコ原作の同名小説(未読)は人気があったらしいのですが、映画作品としては凡作かもです。

ロンドンで戦争未亡人のハリス夫人、今は家政婦として平凡な日常生活。お人好しで、性善説の塊のような人物。ある日、突如パリのオートクチュール、中でもクリスチャン・ディオールのデザインに惹かれ、金を貯めて、パリのディオール本店にドレスを買いに行くという無鉄砲ぶり!

1950年代の設定です。飛行機に乗るのも、もちろんパリに行くのも初めてなのですが、気負いもなければ気後れもしないのがこの人のいいところ。んで、直接乗り込まれた側も彼女の扱いに困惑します。当然です。スッタモンダの末、首尾よくお気に入りの一品(逸品)をゲットして意気揚々、ロンドンに引き上げますが・・・。

まずツッコミどころ満載!ありすぎてコメント控えます。一点だけ。彼女が綿密な採寸までされて特注されたドレスを、いくらお人好しだからと言って、まったく体型の違う知り合いに貸すって、アンタ、あり得ないでしょうが。

まあまあラストが心温まるシーンでしたから、よしとしましょう。出演者が素晴らしかったです。主役のレズリー・マンヴィルさん、テレビドラマで随分見ています。穏やかなお顔で、結構冷酷で残忍な役も演じますが、本作のような役柄にはピッタシ。

逆に、超演技派で、フランス女優として今や人気・実力共にトップにあると言ってもいいイザベル・ユペールさん、ディオール本店のいじわるな支配人役で、ちょっと彼女にはもったいないような役どころかも。つまり彼女の良さが出にくいという意味で。

英仏の人気女優の競演が見ものという作品。あ、もちろんパリの街並みも美しかったです。でも、撮影はハンガリーの首都ブダペストだったんです。エンド・クレジットにハンガリー人らしい名前がやたら目立ったと思ったら・・・。今はCGでどこで撮影しようとパリに見せることぐらいわけない時代ですからね。