240817 このシリーズ、17回目というから驚きです。愚亭は多分、6回ほどこの小さな劇場まで真夏に足を運んだと思います。
今回は5回公演というから、驚きです。残念ながら、16日は台風、17日は台風一過の酷暑という悪条件で、入りが結構厳しいようで、まことに残念!
しかもキャスト陣、いつにも増して充実していたので、なおさらです。私は2日目の夕方の回でしたが、真っ先に入場して最前列のど真ん中に陣取ったのですが、後ろを振り返るとほとんど客がいなくて驚きました。
愚亭の前はこのように桟敷風な空間が設けてあり、お子様連れのお客さんが陣取っていました。パパゲーノ・パパゲーナの場面で、4人、可愛らしい子役が登場しましたが、そのお友達と家族のようでした。
この回、タミーノは以前からよく知っている前川健生さんが演じました。特に高音部の響きにいっそう磨きがかかって、実に見事な歌唱でした。それだけに、余計観客が少ないのが残念で、多少腹立たしくもありました。
他のメインキャストも大熱演でした。夜女も見事に例の超高音コロラトゥーラも難なくこなしておられたようです。しゃべりは日本語、アリアは原語(ドイツ語)で熱唱されていました。低予算ですから、もちろん字幕などはありません。その分、子供達にも理解してもらおうと、チラシにはあらすじがルビだらけで書かれてありました。
伴奏はピアノとフルートは定番としても、もう一つがファゴットというところが、興味深いところです。普通だとチェロあたりが入りそうなところですが。でも、たった3台だけの楽器でもほとんど違和感なく楽しめました。
この劇場の経営方針なのか、そのあたりはよく分かりませんが、これだけの公演を千円ポッキリで、その代わりというか、宣伝等にはほとんどお金はかけていないように見受けられました。つまり常連客をメインターゲットにしているようです。あとは、出演者や関係者による口コミやSNSでの宣伝を当てにしているのでしょうか。なんだか、ちょっともったいないような気がしているのは愚亭だけではないでしょう。
向かって右からタミーノ役、前川健生サン、パミーナの松永知史(ちふみ)さん、フルートの興梠由貴子さん、ピアノの岩上惠理加さん、ファゴットの喜多無為さん、夜女・パパゲーナの冨永果捺子さん、パパゲーノ・ザラストロの浜田耕一さん。冨永さん、浜田さんは二役で、さぞ大変だったこととお察しします。ほんとにお疲れ様でした!